飲食店経営ラボ

月末の憂鬱を解消したい店長へ。「ある居酒屋の工夫」で見えたシフト管理の新常識

なぜ多くの店長が「月末が嫌い」と感じるのか

月末の金曜日、閉店後の静まり返った店内で、シフト表を前に頭を抱える。翌月の希望シフトをまだ出していないスタッフが3人、急な予定変更の連絡が昨日2件。来月はゴールデンウィークもあって、いつもより複雑になりそうだ。

こんな光景、心当たりがありませんか?

飲食店の店長が一番やっちゃいけないこと、それは「シフト管理を後回しにすること」です。

しかし現実には、多くの店長がシフト作成に月平均15時間を費やしているというデータもあります。15時間といえば、ほぼ2日分の勤務時間。この時間を他の業務に回せたら、どれだけ店舗運営が楽になるでしょうか。

問題は、多くの店長がシフト管理を「仕方のない作業」だと諦めていることかもしれません。

「紙とLINEで十分」と思っていたある居酒屋の変化

駅前の居酒屋(32席)で店長をしている方から、興味深い話を聞いたことがあります。

その店長は長い間、シフト希望は紙で回収し、調整はExcel、確定したらLINEで連絡という方法を取っていました。「うちはアルバイト6名だから、これで十分だろう」と思っていたそうです。

ところが、ある日のこと。急な欠勤が2名同時に発生し、代わりに入れるスタッフを探すのに3時間かかってしまいました。一人ひとりにLINEで連絡し、返事を待ち、断られたらまた次の人に連絡。その間、お客様にはご迷惑をおかけし、残ったスタッフには過重な負担をかけることになってしまいました。

「この3時間があれば、メニューの見直しや新人スタッフの指導ができたのに」と、その店長は振り返っています。

この出来事をきっかけに、その店長はシフト管理の方法を見直すことにしたそうです。

実は「管理の仕組み」が変わると店長の働き方が激変する

結論から言うと、シフト管理の効率化は「店長の時間の使い方」を根本的に変えます。

先ほどの居酒屋の店長が実際に取り組んだのは、以下のような仕組みづくりでした:

希望シフト提出のルール化 毎月20日までに必ず提出してもらう。遅れた場合は店長の都合に合わせたシフトになることを事前に伝える。

代替要員のリスト化 スタッフ全員に「急な出勤が可能な曜日・時間帯」をヒアリングし、一覧表にしておく。

シフト変更の権限委譲 ベテランスタッフに「30分以内の時間調整なら現場判断でOK」という権限を与える。

これらの仕組みを導入した結果、シフト作成にかかる時間が月15時間から5時間に短縮されたそうです。浮いた10時間で何をしているかというと、スタッフとの面談や新メニューの試作、売上分析など「本来やりたかった店長業務」に集中できているとのこと。

さらに興味深いのは、スタッフからの評価も上がったことです。「店長が前より話を聞いてくれるようになった」「新しいことにチャレンジする余裕が出てきた」という声が聞こえるようになったそうです。

今週から始められる「シフト管理の負担を半分にする」3つのアクション

月末のシフト作成ストレスから解放されるために、今週からできることを3つご紹介します。

1. 希望シフト提出の締切を「見える化」する 店内に大きく締切日を掲示し、LINEグループでも定期的にリマインドする。「20日過ぎたら店長都合になります」を徹底する。この一つだけで、催促の手間が大幅に削減できます。

2. 「15分で作れるシフト表」を目指す Excelに各スタッフの希望パターン(「土日は必ず休み」「平日の夜は18時から」等)を事前に入力しておく。毎月ゼロから作るのではなく、前月のパターンを微調整する方式に変える。

3. 急な欠勤対応を「30秒で判断」できるリストを作る 各スタッフの「急な出勤OK時間帯」をスマホのメモに保存しておく。欠勤連絡が来たら、リストを見て条件に合う人に順番に連絡。探し回る時間を劇的に短縮できます。

これらの工夫を実践している店長の多くが「シフト管理が作業から戦略に変わった」と話しています。単純にスタッフを配置するだけでなく、誰をどの時間帯に配置すれば売上が最大化するか、新人スタッフの成長を促せるかという視点で考える余裕が生まれるからです。

シフト管理に追われる毎日から、シフト管理を使って店舗を成長させる毎日へ。その第一歩を、今週から始めてみませんか?